コロナウイルスの蔓延により耳にすることが増えた patient zero(ペイシェント ゼロ)という言葉。
あまり聞きなれないので、一体どういう意味?とお思いの方の多いのではないでしょうか?
また、なぜ zero(ゼロ)で one(ワン)ではないのか疑問に思う方もいらっしゃるかと思います。
そこで今回は、
- patient zero の意味と語源
- patient one と言わない理由
を調べてまとめてみたいと思います!
英語の語彙力アップにもなるので、ぜひ参考にしてみてください^^
patient zero の意味と語源
patient zero の意味とは?
まずは、patient zero の意味からみていきましょう。
Cambrige Dictionary(ケンブリッジ辞典)によると、
【patient zero】
the first person to be infected during an epidemic
(感染症の最初の感染者)
とあります。
つまり、コロナなどの「病原体を外部から持ち込んだ人」や「初めて感染した患者」ということですね。
日本語では「ゼロ号患者(0号患者)」と訳されたりするようです。
また、英語での「表記」は
- patient zero
- patient 0
の両方があります。
でも、最初にかかった人であるのなら、ゼロでははなく patient 1(ペイシェントワン)じゃないの??って思いませんか?
私は思いました~。
実はその理由には、patient 0 という言葉の「語源」が関係あるんです。
ここから詳しく見ていきましょう。
patient zero の語源とは?
patient zero という言葉が最初に使われたのは、1980年代前半のアメリカです。
その当時、カリフォルニア州のロサンゼルスとサンフランシスコである感染症(のちにエイズと発覚)が流行していました。
まだエイズとは分かっていなかったこの病気の「感染源」を突き止めるため、米疾病対策センター(CDC)の調査チームが患者に聞き取り調査を実施することにします。
すると、とある男性が「繰り返し」浮上してくることに気が付くんですね。
そこで調査チームはこの男性に「症例番号」をつけたのですが、男性の出身地が感染症が流行している「カリフォルニア州」ではなく「ニューヨーク州」だったため「Outside of California(カリフォルニア州以外)」という意味をこめて「番号」の最初に「O(オー)」を付け加えることにしました。
そう、0(ゼロ)ではなく Outside の O(オー)ですよ~。
ですが!この頭文字の「O(オー)」がいつのまにか調査チームの中で「0(ゼロ)」と解釈されるようになっていきます。
確かに「アルファベット」の ”O” と「数字」の “0” って見間違いやすいですもんね・・・(;^ω^)
そして、この病気の「感染源」の調査が進むと、症例番号の最初に「O(オー)」がついていたニューヨーク州出身の男性がウィルスの根源である(後に「間違い」だと証明される)と報告されます。
この時すでにこの患者の番号は「O(オー)」ではなく「0(ゼロ)」と認識されていたため、「感染源」の患者の呼び名を patient 0(ペイシェントゼロ)とする概念が生まれたというわけです。
なるほど~。最初は「Outside of California(カリフォルニア州以外)の患者」という意味だったアルファベットの O(オー)が0(ゼロ)に変わってしまったんですね!
つまり、patient zero の「語源」は「読み間違い」から始まったということなんですね~。
patient one でない理由
上記のとおり、1980年代に流行していた「エイズ」の感染源(患者)を patient zero(ペイシェントゼロ)とアメリカでは呼ぶようになりました。
この呼び名が定着して、エイズに対してだけでなく「病原体を外部から持ち込んだ人」や「初めて感染した患者」のことを patient zero(ペイシェントゼロ)と言うようになったということです。
だから、1番に感染した患者でも patient one(ペイシェントワン)ではなく、patient zero(ペイシェントゼロ)になるって訳です。
納得です~。
patient zero の意味は? さいごに
今回は、patient zero(ペイシェントゼロ)の意味を解説しながら、語源と patient one と言わない理由もまとめてみました。
0とOの読み間違いから始まったというのは、ちょっと驚きですよね!?
改めて「言葉」というのは興味深いなぁと思いました。
そうそう、patient zero(ペイシェントゼロ)という言葉は、基本は「初めて感染した患者」を表す言葉ですが、こんな使い方をすることもできるんです(↓)。
クリントン大統領との不適切な関係で有名になったモニカ・ルインスキーさんのスピーチです。
このスピーチの中で “I was patient zero.” と言っているんですね。
上の動画では、ちょうど I was patient zero. と言っているところから再生されますよ~。ネイティブ発音を聞いてみてください♪
意味としては、もちろん何かの病気にかかったわけではなく「中傷の最初の被害者だった」ということで使っています。
へ~!こんな使い方もできるんですね。
それでは、また疑問に思った英語や面白い英語フレーズがあったらご紹介していきますね~^^
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